かえるのプログラミングブログ

プログラミングでつまずいたところとその解決策などを書いていきます。

3日目 "疫病のマクロ経済学"

こんばんは、kaerururu です。

個人プロジェクト 100DaysOfHealthEconomics, 3日目の記事です。


3日目

THE MACROECONOMICS OF EPIDEMICS という論文を読んでます。

この論文では、疫病蔓延下のマクロ経済政策について SIR モデルを拡張したものを適用し、最適な政策は何かを述べています。

進捗は 6 / 28 といった感じです。昨日まで読んでた論文のお陰で内容はスッと入ってくる一方でボリュームがあって読み進めるのはまだ大変ですが、これは読んでて結構面白いです。

パレート最適や需給カーブみたいな懐かしい表現にも出会えました笑

数式などはまだ詳細に追えていませんが、結論は単純で人がお買い物と労働を控える (所謂自粛ですね) と死亡者減るよということです。

何を当たり前のことをと思ったのですが、政策立案者としては GDP を減らさないことを目的変数に設定しているため、

感染拡大によって人が死ぬ --> 人口と GDP が下がる (困る) --> 疫病の終焉 (= 集団免疫の獲得) まで恒久的な封じ込め政策を行って、感染拡大を防ぐ

というロジックのようです。

したがって、疫学モデルの側でも以下のような注意書きがしてありました

・ 簡単のために単純なモデルを使用。多くの重要な疫病関連の政策課題を研究できない。そのため以下は未考慮。

  • 家計や企業が受ける経済的苦難を緩和する政策
  • 家計への移転や倒産防止のための融資などの政策も検討していない
  • 金融市場の流動性や健全性を維持することを目的とした政策については検討していない

途中までの感想

・マクロ経済の観点 (長期的に GDP を落とさないを目的関数に据える) では個人や企業などミクロの単位の困窮には目を瞑るのが楽という視点は焼畑農業みたい

・確かに、今この状態で自粛に耐えうる経済的体力のある人や企業さえ残れば GDP へのダメージが最小になるというのはなるほど納得ではある

・ミクロの経済主体へのダメージの最小化を目的変数に据えている論文も読みたい

・このモデルでは 通販 (買い物時の罹患リスクの軽減) やリモートワーク (労働時の罹患リスクの軽減) といった直近の動向が モデルの仮定に反映されていないので、この辺りに言及がある論文を読みたい