かえるのプログラミングブログ

プログラミングでつまずいたところとその解決策などを書いていきます。

「深層学習を用いた株価予測の分析」宮崎・松尾(2017)を読了して

かえるるる(@kaeru_nantoka) です。

 

最近AI関連の技術論文を読むのにハマっておりまして、発見や思ったことを文字として残しておこうかなと思ったので書いていきます。

 

第1弾はこちらです。

https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2017/webprogram/2017/pdf/1112.pdf

以下、当論文 と表記します。

 

概要

画像認識で頻繁に使われる技術を CNN を株価予測に応用してみた。

 

といった内容で考察されてます。

 

発見

1. CNN を画像データ以外に対しても適用できるということ。

 

CNN自体は以前から知っておりました。

この技術を使って 顔認識AI内蔵のLINE BOT を作成し、30人ほどの方に使って頂いたこともあります。

 

一般的に CNN について説明がなされる場合、

当論文の 図1 で示されるような概念図を用いて説明されます。

 

「人間の網膜の仕組みを機械的に再現し、コンピュータに処理させる」という理系的背景がなくても直感的に理解できるもので、私も漏れなくそのように認識しておりました。

 

従って「CNNで株価予測」とはじめて聞いたときは ??? だったのですが、当論文でも言及があるように

i ) 株価の値動き自体を画像データに落とし込む

i i ) 入力データをそのまま画像データと同様に扱いインプットとする

 

というように考えられることを知りました。

 

2. 当論文では、9:00のデータをブレが大きいアウトライナーとして処理しておりました。

 

以前証券会社に勤めていた私はこの点にささやかながら疑問を感じました。

 

株価予測の過去データの有用性は、当論文でも言及があるように市場関係者がテクニカル分析(過去の値動きを参考に経験則で導き出された予測手法)を使用していることから一定の価値があるとされます。

 

午前9時は、寄り付きといい株式の売買が開始される時間です。

 

よって「寄り付きの時間の値動きにブレがある」という事実もまた将来の株価予測を導き出すための1パラメータになり得るのではないか

と考えていたからです。

 

データ分析のプロの知見とかつて市場関係者として勤めていた者の細やかな経験則とで1つの事象に対する考え方の相違がとても新鮮でした。

 

まとめ

技術論文を読むと学びが多いです。

特に、最初に関連研究や研究史に触れた上でその論文のトピックがどうその流れを変化させうるのかが簡略に述べてあります。

また、当該技術の簡単な実装法、比較対象としてどの技術が有用かなどその分野のバックボーンがない私にとっては宝の山のような情報源でした。

 

これを機会にこういった論文を読んでみようと思った方が増えると嬉しいです。

ありがとうございました。