かえるのプログラミングブログ

プログラミングでつまずいたところとその解決策などを書いていきます。

5日目 続々 "疫病のマクロ経済学"

こんばんは、kaerururu です。

個人プロジェクト 100DaysOfHealthEconomics, 5日目の記事です。


5日目

"疫病のマクロ経済" を読み終わりました。

メモへのリンクは以下です。

github.com

本日読んだ部分では、ウイルス流行による不況のメカニズムと封じ込め政策を行った場合についてシミュレーションを行い、封じ込め政策を行った方が長期的に経済へのダメージが少ないことを説明していた。

封じ込め政策の具体的な方法論としては消費増税を行い、一旦消費者から回収した収入分は後ほど還元するということだ。

その上で、政策立案者がどのように政策を実行すべきかという点に言及している。

ここで、面白いと思ったポイントは政策立案者が現実問題として以下のような圧力をかけられてしまう点を考慮している点である

  • 政策立案者は、経済活動への影響を考慮して、封じ込め措置を早期に終了させるよう強い圧力に直面する可能性
  • 政策立案者は、最適な封じ込め対策の実施を遅らせなければならないという圧力にも直面する可能性

いずれのケースにおいても、封じ込め政策は迅速に実施、かつ (周りの圧力に耐えながらも) 途中でやめることなく継続することが重要であると結論づけており、

これらの結論は、1918年のスペインでの疫病の証拠に照らし合わせても一致しているという。


感想

  • 封じ込め措置を早期に終了させるような強い圧力は直近でも緊急事態宣言の解除のような形でみた
  • 世論では、経済活動が止まってる分の損失はどうするんだ??? みたいな声もちらほら聞くが、この論文では、経済活動を止めることによる損失 < 経済活動を止めないことによる死者増の結果、労働力がへることによる長期的損失 としているため1つの反論材料になりそうだ (批判している人はこういった政策の論拠になっていそうな情報を如何程持っているのだろうか...)
  • とはいえやはり、マクロ経済の損失を減らすことに主眼を置いているため、以下に問題点がありそう

・(後ほど返すとはいえ、) 消費にかかる金額を増やすことで消費を抑えるという弱い個人がさらに困窮し得る

・そもそも封じ込め政策実現へのハードルが高そう (為政者は増税による支持率の低下のようなパラメータに支配されていそう。もっというと政策の結果、事態が収束することで上昇する支持率よりも、国民 (ミクロ) への負担を強いる政策の実行による短期的な支持率の低下を重視しそう)

  • 自分が関心を持っていた、過去の疫病流行時の知見は活かされていないのかという観点については、1918年のスペインでの疫病 が引き合いに出されていてよかった。

以上です。ありがとうございました。