こんばんは、kaerururu です。
個人プロジェクト 100DaysOfHealthEconomics, 9日目の記事です。
9日目 本日は 34/49, 4章まで読みました。
本日読んだところでは、計画者に帰属する再分配パラメータ (コスト) を変えた時の高齢者、若者 (基本セクター)、若者 (贅沢セクター) にどれだけの福祉利益が与えられるかがシミュレーションしていました。
[経済緩和無し]
- 基礎労働者の感染率は高級労働者よりもわずかに高い
[経済緩和]
- 高齢者(職場で曝露されることがない)の感染率は、若年者よりも低い
- 経済的緩和は、高級労働者(仕事から離れて家にいる労働者)の方が直接的な健康上のメリットが大きい
- 職場でのウイルスの拡散が減れば、職場外での感染者が減るため、自宅や店舗、病院での新たな感染が減る
[政策コスト有り]
- 経済のどの部分をどのくらいの期間停止させたいかという点で、個人のタイプによって大きな違いがある ・高齢者(人口の15%)は、高級部門の30%を停止し、一部停止を年末まで継続してほしい ・対照的に、若年層(全人口の50%近く)の高級品部門の労働者は、より低いレベルの緩和を希望しており、その緩和はもっと早く終了してほしい ・ベーシック・セクターの労働者は、これら 2 つの両極端のほぼ中間に位置する政策を好むが、実利主義政府も同様の政策を採用
[政策コスト無し]
- 政策選好は質的には変わらないが、量的には大きく変化
- 両セクターの若年労働者は、好ましい緩和政策に同意 ・消費の結果が同じであり、健康面では実質的に等しく恩恵を受ける
- 再分配が(事実上)コストレスである場合には、より積極的な効用主義的緩和政策が選択される
- 不均一性とコストのかかる再分配が相まって、パンデミック対策の手段としてシャットダウンを利用することの見返りが少なくなる
[まとめ] - 再分配のコストに関係なく、若い人たちの福祉の利益や損失ははるかに小さい - 再分配のコストが高い場合には、若い贅沢労働者の福祉利益は、若い基本的労働者よりも常に小さいが、再分配のコストがない場合には、ほぼ同じ - 高齢者にとっては福祉を最大化する政策が、若者、特に贅沢部門の労働者にとっては(緩和がない場合と比較して)福祉を低下させる可能性があるということである
感想
- 3つのグループに分けられたエージェントは、各自の利益 (生存確率をあげることと消費によって得られる効用を損ねないこと) を最大限にするような緩和政策を選好する。
- 高齢者はそもそもの疫病による死亡率が高いので、ロックダウン政策によって得られる利益は大きいが、それは若者と利益相反するものである。
- この問題設定だと計画者は設定したパラメータによってどのグループを優遇しているみたいな議論になって大変そう。
- 少し難しくなってきた。